2024年10月11日㈮、パルテノン多摩でリーディングシアター「神 GOTT」を観てきました。
非常に重く難しいテーマを扱ったドイツの戯曲です。
このお芝居は当事者ゲルトナー氏、顧問弁護士、ホームドクター、法学者、医師会の役員、カトリック教会の司教が登壇する公開討論会の形を借りたしつらえになっているため、私たち観客も、討論会に参加している市民という位置付けになりました。
討論会のテーマは、「医師は死の幇助をすべきか」。
開演前に投票用紙が渡され、一幕終わりに、観客全員が賛成か反対かに投票するように求められます。
二幕冒頭で投票結果があかされ、その結果に対して双方の立場の人間が意見表明をして、幕となります。
観客の投票結果で二幕の内容が変わるのですね(じゃないとしたら、投票の意味がないよね)。
私が観た回は、賛成51%、反対49%。結果は賛成多数、となりました。
何だかもやっとしました。
拮抗した結果だからではなく、たぶん多数決で決めること自体にもやっとしたんだろうな…。
一幕の、それぞれの立場からの意見表明、そしてディベートはとても深く、見ごたえのあるものでした。
橋爪功さん、浅野雅博さん、山路和弘さん、瑞木健太郎さんなど、素晴らしかった。さすがでした。
山路和弘さん(大好きだ~)は、妻を病で失い生きる意味を見失った78歳の男性(ゲルトナー氏)を演じました。
読みながらずっと涙を流していて(芝居中ずっと泣いてる俳優さんをみたの初めて)、この男性の胸中を想像すると本当に胸が詰まるような思いでした。
ただ、だからといって…という思いが個人的には残り…。観た人それぞれに思うところがあるでしょうね。
本当に難しいテーマのお芝居だと思います。
日本とドイツでは、依って立つ宗教観や国民性などが全然違いますしね。
すごく考えさせられました…。