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書籍紹介「いい子症候群の若者たち」

いや~、確かに。そして私も。

金沢大学教授の金間大介さんが書いた「いい子症候群の若者たち-先生、どうか皆の前でほめないで下さい-」(東洋経済新聞社刊)を読みました。

軽妙な語り口でおもしろく、でも主張はたくさんの興味深いデータに裏付けられていて、納得度が高く。
ふむふむうなずいたり、唸りながら読みました。

競争したくない、自分で決めることが苦手、100人のうちのひとりでいたい、目立ちたくない、浮きたくない、失敗したくない、自信がない、自己肯定感が低い・・・。

私も大学で働いていますので、たくさんの若者たちと日々ふれあっているわけですが、彼らを見ていて不可解に思っていたことの原因が、次々解き明かされていく感じがしました。

同時に(金間さんも指摘しているけれど)、それって大人もそうじゃないか? 少なくとも私もそういう傾向、あるよ・・・。
単なる若者の問題じゃなくて、実は日本全体のゆゆしき問題なんじゃないか。

第9章の「他人の足を引っ張る日本人」あたり、あるあるです(むしろ年配者の方がその傾向が強いような・・・)


この根深い問題に、私は何ができるのか。
人に影響を与える以前に、実は私自身が行動して変わることが必要なんじゃないだろうか。
若者論と思って読んでいたけど、いつのまにか内省を始めてしまった私です・・・。

最終章には、金間さんから若者たちに向けてのメッセージが書かれています。
それがとっても温かく、若者たちへの希望を持ち続けている人でなければ書けない内容なんです。
若者と向き合う仕事をしている者として、そのまなざしと矜持を見習いたいと思いました。

金間大介「いい子症候群の若者たち-先生、どうか皆の前でほめないで下さい-」東洋経済新聞社

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