切り口を変えると就活もおもしろい
私は普段、学生さんの就活を含めたキャリアの支援をしています。その活動の中で、ちょっと斜めの切り口から話をすることがよくあります。そのひとつ、「就活は『おもてなし』だ!」を今回ご紹介したいと思います。
臨済宗大本山・妙心寺退蔵院副住職の松山大耕さんが書かれた、「おもてなし」に関する文章を読みました。
松山さんによりますと、「おもてなし」には以下のような特徴があるようです。
①「おもてなし」はある特定の「相手」に対してのみ行われる
・その場にいない「相手」に対して、心をこめて準備する。
・「相手」を敬い、目に見えない心を目に見えるものとしてどうやって表現すればよいのかを考え、工夫を凝らす。
・そのための努力や手間、舞台裏は表に出さず、「相手」に余計な気遣いをさせない。
・目配り、気配り、心配りを欠かさず、「相手」にとってよりよい対応ができるよう、臨機応変に立ち振る舞う。
②主客対等
・主人(招く人)と客人(招かれる人)には上下関係はない。お互いに敬意を払いあう。
これを読んだ時に私は、
「これってまさに、面接の心得そのものではないか~!」
と思いました。
面接を受ける人=「主人(おもてなしをする側)」と考えて、改めて①を読んでみましょう。
まず、「ある特定の『相手』に対してのみ」という点。
就職活動でたくさんの会社を受けるからといって、志望動機を適当に使い回しちゃおう、などはNG。やはり、ひとつひとつの会社(相手)に敬意を払い、真摯に向き合って、心をこめて準備したいものです。
手書きでの履歴書も「大変だなあ」と思うかもしれませんが、相手(会社)を思いながら一生懸命書くことにも、意味があるんじゃないでしょうか。
次に、「会社(相手)と向き合う際に重要なのは、『目に見えない心を目に見えるものとしてどうやって表現すればよいのかを考え、工夫を凝らす』こと」。
就職活動における「目に見えない心」というのは、自分自身の持ち味(自己PR)や会社への思い(志望動機)にあたるでしょう。
頭の中にもやもやとあるものを形にし、相手にしっかり伝えるために、文章や口頭でどのように表現するか…。その工夫は欠かせませんね。
そして、「目配り、気配り、心配り」。
面接では、何が起きるかわかりません。面接官(相手)の言語・非言語の反応に敏感になり、何を求めているのかをキャッチして、応えていくことも重要ですよね。
このようなことを実行することで、「相手の期待を超える対応が可能となる」のだそうです。
「おもてなし」、すごい…。深い…。
次回は、②「主客対等」についてお話ししようと思います。
※この文章は、私が前に書いていたブログ「ひゅうちゃんの雑考-キャリア・仕事・人との関わり-」の2015年10月3日付記事を再構成したものです
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