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書籍紹介「首尾一貫感覚」で逆境に強い自分を作る方法」

ロゴセラピーとも深いつながり

舟木綾乃さん著(河出書房刊)の書籍です。

「首尾一貫感覚(Sense of Coherence)」とは、簡単に言うと「逆境を乗り越える力」「ストレス対処力」「健康に生きる力」です。
この「首尾一貫感覚」は気質など先天的なものとは異なり、後天的に高めることができるといいます。この点に私は希望を感じました。

「首尾一貫感覚」には、3つの構成要素(感覚)があります。1970年代に、アーロン・アントノフスキーという研究者が、ナチスドイツのユダヤ人強制収容所からの生還女性に聞き取りを行って明らかにしました。

【3つの感覚】
 ①把握可能感(だいたいわかった)
 ②処理可能感(なんとかなる)
 ③有意味感(どんなことにも意味がある)

この本では、いくつかの相談のケースを例にあげつつ、認知行動療法や産業心理学のJDCモデルなどを用いながら、3つの感覚がどのようなもので、人の認知や感情にどのような影響を与えるのかを解説してくれています。

首尾一貫感覚のベースとなるのは③の有意味感。学術的に説明すると、「自分が直面する問題の解決に向けた努力や苦労のしがいも含め、やりがいや生きる意味を感じられる感覚」「目の前の問題を挑戦とみなせる感覚」となります。この説明からもわかるように、「有意味感」は、人が行動を起こす際の動機づけの要素にもなり得る重要なものです。

ヴィクトール・フランクルの著作を引用することによって、有意味感がどのようなものなのかがわかりやすく、また感銘とともに深く心に沁み込んでくる感じがします。

私の心に残ったフレーズは、「自分がどうしたらいいのか? ではなく、人生から問いかけられていることは何か?」、「自分を中心に人生に対して期待するのではなく、人生が私に何を期待しているのかなのだ」。


人生全体から自分を見つめる視点、そして自分中心の人生観を捨てること。
今の私に必要なことのように思います。

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