人生に喜びをもたらす「Awe体験」の効果、ってどういうこと?
2023年1月にサンマーク出版から出された「Awe Effect(オウ エフェクト)」という本を読みました。
著者は、スウェーデンのジャーナリスト、サラ・ハンマルクランツさんと、ストーリーコーチングの専門家、カトリーン・サンドバリさんです。
サラ・ハンマルクランツさんの専門領域は心理学だそうで、ポジティブ心理学をスウェーデンに初めて紹介した人物でもあるとのこと。2017年秋に「Awe Effect(大自然などを前にしたときの感情、畏怖、驚きなどの感情がもたらす効果)」に関する研究論文を書かれています。
サラ・ハンマルクランツさんも、ご自身のコーチングメソッドの中でポジティブ感情を重視してこられたそう。
お二人に共通しているのは「ポジティブな感情に関する心理学」に興味を持っていたということ。そんなお二人が協力して多くの研究者やAwe Effectを実感している方にインタビューをしたり、研究論文をレビューしたりして書かれたのがこの本です。
私はポジティブ心理学に興味があって、少しずつ書籍を読んだり研究会に出たりしています。人間のポジティブな側面(例えば「強み」とか)に光を当てる、マイナスを0にではなくプラスをよりプラスに、という考え方は、本当にすてきだし希望が感じられるものだと思っているからです。
今回、この書籍を手に取ってみたのも、「Awe Effectって聞いたことないけど、どうやらポジティブ心理学に関係があるらしいぞ」という単純な興味からでした。
冒頭でAwe Effectが「大自然などを前にしたときの感動、畏怖、驚きなどの感情がもたらす効果」という意味だと知って、「いやほんと、これは今絶対必要でしょう!」とさっそく心を動かされました。
大自然やアート(満天の星空とか、巨大な木とか、圧倒的な音楽とか・・・)に触れたとき、普段感じることのない感情がこみ上げてきますよね。その時の感情がどうやらAweのようです。
「この偉大な自然の中では、私なんかほんとにちっぽけな存在だな」とか、「この自然の一員として存在できているって素晴らしいな」みたいな気持ちになります。
何というか、我欲みたいなモノを一瞬忘れるというか、脳がフラットになるというか、そんな感覚があります(Aweを体験している人の脳を調べると、迷走神経が活発化するとのこと)。
これが、人間にとってものすごく大切なことなんだそうです(ストレスの低減、創造力アップ、メンタルの安定、仕事の効率アップなど、いいことばかりが起きます)。Awe体験を、日常的に増やしていくことの大切さにも触れられていました。
この本には事例がたくさん載っているので、自分と照らし合わせて「そうだそうだ!」と思うことはすごく多かったです。入門編として、読んでよかったなと思いました。
ただ、この本1冊だけではAweの全体像が掴みきれそうにないので、もうちょっと深く(できたら論文なども探して)調べてみたいと思いました。
Awe Effect 人生に喜びをもたらす「Awe体験」の効果
カトリーン・サンドバリ [著] / サラ・ハンマルクランツ [著] / 喜多代恵理子 [訳] サンマーク出版