You are currently viewing 「流れる血、あたたかく」観てきました

「流れる血、あたたかく」観てきました

重い芝居…考えさせられる…

9月15日㈰、Space早稲田で上演中の「流れる血、あたたかく」を観てきました(先日弘前でお世話になったSさんにご紹介いただきました)。

このお芝居は「日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演 劇作家部門」とのことで、作の三上陽永さん(ぽこぽこクラブ)が育成対象者なのだそうです。

三上さんは青森ご出身で、このお芝居も青森のある家族のお話。

ごく普通の幸せな家族だったはずなのに、何が災いしてあんなにも凄惨な状況になってしまったのか。

ごく普通の少年だった彼が、あんな凶悪事件を引き起こすに至ってしまったのはなぜなのか。

幸せだった頃の家族と、少しずつ歯車が狂っていってどんどんおかしくなっていく家族の様子が交錯して描かれるところが、とても恐ろしく、そして悲しかったです。

秀生、優二という兄弟の名前からは、母の強烈な愛と期待、自分と息子との同一化願望みたいなものを感じました。

正確なセリフではないかもしれませんが、加害者(秀生)が何度も口にする「孤独に殺される」という趣旨のフレーズが印象的でした。

家族という閉ざされたコミュニティの中で虐待され、それによって自分が死んでいくような感覚を長い間味わわされるって、この世の地獄です。

加害者(秀生)が起こしたことは決して許されることではないけれど、加害者をそこまで追いつめるまえになんとかできなかったものか。どうやったら防げたんだろう…。

加害者を理解しようとしたり応援しようとしたりした人々もいたけれど、根本的な解決にはなりえなかった。

もし身近に加害者みたいな境遇の人がいた時、どうかかわったらその人を犯罪に至る前に救えるんだろう、とも思いました。

うまくまとまりません。

非常に考えさせられるお芝居です。23日までやっているそうなので、もしご興味のある方はご覧になってください。

もう一回観たら、私も何か掴めるかな。

なお、出演者の多くが流山児★事務所所属の方々でした。

去年の暮れに観た「夢・桃中軒牛右衛門の」でも拝見したお顔ぶれが、その時とはまるっきり違う様相になっていらっしゃり(鬼気迫る演技…すご)、俳優さんって驚異的だなと思いました。

http://www.gekidankyo.or.jp/performance/2023/2024_04.html

https://ryuzanji.com

コメントを残す